輸入ワインの食品監視の事情

お問い合わせはこちら

ブログ

輸入ワインの食品監視の事情

2019/11/24

輸入ワインの食品監視の事情

No.0002<輸入ワインの食品監視の事情>

弊社では主にフランスからの直輸入のワインを販売しております。輸入時には厚生労働省食品監視課に輸入ワインの届出が必須となります。そこでワインに関して注視されているのが、酸化防止剤の存在です。

 ワインの製造過程を観てみますと、ブドウの収穫⇒圧搾・破砕⇒ブドウ果汁のこの段階で果皮についている多くの酵母菌がブドウ果汁からアルコール発酵へ導くのです。

しかしこの過程で果皮には他の悪玉酵母や種々の雑菌があり、この繁殖を防いで発酵を進行させワインになるまで守るために酸化防止剤が必要となってきます。ワインには酸化がつきもので、害を与えないで製造過程で欠かせない酸化防止剤の正しい利用が必要です。

 日本における食品衛生法には第11条第2項に、「我が国の基準に適合しない添加物の使用による食品は輸入し販売することができない。」と明記されております。

ここで、ワイン等の果実酒にとっては、酸化防止剤等はこの基準に従わないといけない添加物となります。我が国のワインの添加物の項目としては大きくサルファ系とソルビン酸系があります。一般的な酸化防止剤はこのうちのサルファ系で、二酸化硫黄、亜硫酸ナトリウム、次亜硫酸ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウムがあります。これらは成分分析データとしてSO2(二酸化硫黄)として扱われ、海外データではTotal Sulphur dioxydeとして明記されます。これは添加物のみの量ではなく自然由来の二酸化硫黄も含めて検出されるため、Total表記のSO2の量が監視の対象になります。

日本の食品衛生法基準では、このSO2量は使用基準として350㎎/㎏⇒比重約1.0として350㎎/Lとされております。

 皆さんがご興味をお持ちになられるオーガニックワインなどは、有機栽培で化学薬品の農薬や肥料、除草剤等を使用しないで自然な環境で栽培されたブドウでワインを作るということで、酸化防止剤は使用しないものではありません。この製造過程でも二酸化硫黄等の酸化防止剤は使用されておりますが、極めて少量の使用に抑える努力をされております。

また、酸化防止剤を使用しないというキャッチフレーズのワインも出回っていますが、酸化防止剤自体は使用しないですが、酸化を防ぐために特殊なブドウ酵母を投入して、酸化防止剤と同じようなサルファ系の化合物を生成させて腐敗を防いでいるものです。もともと古来よりワインの製造過程で腐敗防止をするために、ブドウのタンニンを利用していたので、熟成ワインは自身のタンニンによる殺菌効果で、長年の熟成期間を守ってきたものです。

ですから赤ワインの方がタンニンを多く踏んでいるほど酸化防止剤の使用は抑えることができるという訳です。

では、白ワインはというと、タンニンの効果も少ないためやはり使用は必須となってきます。さらに高級な熟成期間を持たせるワインは更に製造最終過程でも防腐剤を投入するケースが多いです。それがソルビン酸系の酸化防止剤とも言われております。

日本ではソルビン酸カルシウム。(海外データではSorbic acid)その使用基準は、200㎎/Lと通常の二酸化硫黄よりも厳しいものになっております。日本では成分分析データにこのソルビックの数値が計上されると、その薬剤の名称、使用方法、投入量等の情報も届出に記載しなければならないのです。非常に手続きが大変となります。しかし、最近の健康志向のおかげでこの使用量も極力少なくする姿勢は変わらず、現在はソルビン酸の使用ワインは激減してきております。ただ新世界のワインを長期間輸送して我が国に輸入してこないとならないという諸事情からこの薬剤の使用が必須の場合もあるでしょうが、弊社の物はご安心下さい。

ちなみに、前回のブログで紹介した[Cremant Blanc de Blancs]の成分分析データは次のようです。弊社は各ワイナリーから輸入商品毎にこうした成分分析データの提出を求めており、安全に輸入し皆様へお届けしております。